【元特許事務職出身者向け】先輩を知る
専門技術者として働いている先輩の皆さん
弁理士資格を活用しての仕事の限界と新たな展開
元特許事務職出身
女性主席部員Aさん
大学卒業後、IT企業にSE職で入社しました。クライアントのプロジェクトに応じて各種ITツールを開発するのが、主な仕事でした。ITツール開発では他社に対する厳しいライセンス制限があるため、クライアントに応じたITツール開発を効率的に進められないジレンマがありました。そこから、ライセンス内容に疑問を感じて、知財に関心を持つようになり、数年間の勉強を経て弁理士登録もして知財との関係を深めていきました。そんな中、歳を重ねるにつれて、弁理士資格をより積極的に生かして定年なしで働きたいと考えるようになり、本格的に実務を身に着けるため弁理士法人に転職しました。しかし、実際に働き始めてみると想像以上に大変な仕事であることが分かりました。中間処分、異議申立、文献調査、ライセンス契約など業務がバラエティに富んでいるうえ、技術分野も固定できません。各種依頼に応じて、その都度必要な知識を独学で勉強しながら業務を進めますが、孤軍奮闘で厳しい時間的制約もあるため、なかなか納得のいく仕事を実現することが難しく、また、体力面でも年齢的に限界を感じました。知財の経験を生かしつつ、技術の専門性を深めながら、長く働き続けられる仕事を探して、辿り着いたのがIPCCでした。IPCCの業務について調べる中で、特許の仕事でお世話になっていた「検索報告書」が、IPCC等の登録調査機関で作成されたものであることを初めて知り、これまでの弁理士業務と身近なところで接点があったことに気づきました。
【自分の付加価値を高めることができるIPCCの人材育成】
IPCCでは、業務に必要な特許の知識について、業務を開始する前に、予め体系的に習得できるようにするためのプログラムが用意されています。まず、育成研修が開講する前段階で、IPCCが用意する独自の研修で基礎力を身に着け、次に特許庁の関連団体が主催する比較的長期の育成研修(約2カ月)で実践力を鍛えます。なお、IPCCでは、採用された後に育成研修を受講するので、受講期間中も、勿論給料が支払われます。また、職場では、上司や周囲の同僚が、気軽に声をかけてくれ、相談にも乗ってくれますので、新人が仕事し易い職場環境が整っています。また、IPCCでは、専門分野をある程度固定して案件を担当するとともに、所定のOJT期間、上司から継続的に指導を受けることで、専門分野や検索スキルのスキルアップを図っていきますので、確実に成長していけます。
これまでの弁理士法人での経験も活かしつつ、これからの業務を通じて技術的専門性を深めるとともに、専門領域を少しずつ拡大して、自分の付加価値をより高めながら長く仕事を継続していきたいと思っています。
特許事務所での経験を生かす
元特許事務職出身
女性主席部員Bさん
大手メーカーに約10年勤めた後、育児の関係もあって転職することにしました。メーカーの開発部に所属していたので特許にはもともと関心があり、知財の将来性も踏まえて特許事務所に転職することにしました。いろいろな知財経験を積むため、小規模の特許事務所を選択しました。特許・商標・意匠の内外国への出願や中間処理(処分)、更には行政・民事訴訟も含めて対応しました。その都度、専門書やインターネットで必要な知識を勉強しながら実務の習得に努めました。機械分野が中心でしたが、慣れない技術を理解するために、購入した市販の製品を分解して構造を理解するようなことも経験しました。そのようにして仕事を通じて幅広に経験を積む中で、より専門性を深めて仕事をしたいと感じるようになりました。しかし、小さい事務所では専門分野を選ぶことが難しく、特に、自分の専門分野(化学関係)の案件は、稀にしかありませんでした。そのため、より専門性(化学分野)を深めて仕事ができる環境を得るため再度転職を決意しました。
【大規模な専門技術者組織IPCC】
特許事務所の経験を生かせる転職先としてIPCCについて調べてみると、「専門技術を生かせる特許の業務であること」、「老舗で業界最大手の登録調査機関であること」、「自宅から通勤できること」がわかり、自分のニーズにぴったりと合致する転職先でした。特に、大きな組織と小さな組織の双方で仕事をした経験から、仕事の安定感及び専門性を深められる点において、IPCCの業界優位性と大規模な専門技術者組織(約1200名)には大きな魅力と可能性を感じました。
【充実した研修と実務を通じたスキルアップ】
IPCCでは、充実した事前の研修でしっかりと実務に必要な基礎知識を固めたうえで、INPITの育成研修を受講しますので、とても安心感があります。また、研修期間中、多数の同期とお互いに助け合いながら学び合える環境は、とても新鮮で心強く感じました。
検索業務は、インプットの「サーチ」とアウトプットの「対話(審査官への報告)」のセットで展開します。「サーチ」は、基本的に個人作業ですが、悩みや疑問があれば、周囲の同僚や上司がアシストしてくれる体制が整っているので助かっています。また、「サーチ」でヒットした文献に対する出願人の対応についてある程度見当がつく点で、特許事務所での経験はとても役立っています。特許事務所を経てIPCCに転職したのは正解でした。そして、「対話」で審査官とコミュニケーションをしながら、自分の課題や審査官の思考パターンを把握して、スキルアップに繋げていけます。恵まれた職場環境を活かし、長く仕事を続けながら、専門性とサーチのスキルを磨き続けたいと考えています。