分類付与事業
特許出願等への分類付与とは
たとえば図書館では、1冊ごとに付与されている図書分類により、膨大な数の本の中から目的の1冊を簡単に見つけ出すことができます。
これと同じように、特許出願された特許文献等には1件ごとに特許分類が付与されており、目的の文献等を効率的に見つけ出すことができます。特許分類には、国際的に統一して使用されている国際特許分類(IPC)や日本独自の分類であるFI、Fタームなどがあり、各特許文献の技術情報に対応した分類が付与されています。先行技術調査の際は、これらの特許分類を検索キーとして文献等を検索するため、分類が正確に漏れなく付与されていることが極めて重要なこととなります。
IPCCでは、特許庁からの外注を受け、特許出願等への分類付与を実施しており、これまで3,000万件以上の付与実績があります。
分類付与事業
IPCCでは、出願前公開前の特許出願に対するFIとFタームの付与や、公開公報に対するFタームの再付与(技術の進展に伴い新たに作成されたFタームやFIの再付与)などを行っています。
特許出願の分類付与にあたっては、対象出願の電子データを特許庁から受領し、まずは独自のシステムにより、技術内容がどの技術分野に属するかを特定します(自動大分け処理)。その後担当分野の専門技術者が分類を付与しますが、出願の内容によっては複数の技術分野の分類を付与する必要があり、別分野の専門技術者に分類付与を依頼することがあります。正確に漏れなく分類を付与するためにはあらゆる技術分野に精通した専門技術者の協同作業が不可欠であり、これは全技術区分の専門技術者が在籍しているIPCCだからこそできることです。
また、付与した分類については、サンプリング抽出し、特許庁審査官によるチェックを受け、付与精度の向上を図っています。
最終的に確定した付与データはオンラインで納品され、特許文献検索システムに蓄積されて、先行技術調査等に利用されます。
増加に転じた分類付与業務量
特許公報をはじめとする紙の審査資料の電子化、特許文献検索システムの構築という時代の流れを受け、IPCCでは平成初頭に分類付与のピークを迎えていました。その後徐々に付与件数は減少していきましたが、グローバル知財システムの構築へ向け、先行技術調査の環境整備の必要性がより一層高まり、分類付与の外注業務量は平成26年度から大幅に増加へと転じています。
先行技術調査だけではなく、分類付与についても、IPCCがその力を発揮するチャンスが拡がっています。